イザカマクラ便り

高齢者の睡眠

年齢とともに睡眠は変化していきます。

健康な高齢者の方でも睡眠が浅くなり、中途覚醒や早期覚醒が増加します。

また、睡眠を妨げるこころや体の病気にかかると、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などのさまざまな睡眠障害が出現し、原因に合わせた対処や治療が必要になります。

●年齢とともに睡眠が変化する

①高齢者は若い頃に比べて早寝早起きになる

これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

したがって高齢者の方の早朝覚醒自体は病気ではありません。

眠気が出たら床につき、朝方に目が覚めて二度寝ができないようであれば床から出て朝の時間を有意義に使うのが良さそうです。

②年齢を重ねると眠りが浅くなる

睡眠脳波を調べてみると深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。

そのため、尿意やちょっとした物音で何度も目が覚めてしまうようになります。

●高齢者に多い睡眠障害

高齢者は退職・死別・独居などの心理的なストレスに加え、1日の運動量が減ってしまったり、こころや体の病気、その治療薬の副作用によって不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります。

若い頃には影響がなかった生活習慣(運動不足・夜勤など)や嗜好品(カフェインの入った飲み物・アルコールなど)でも睡眠障害が生じることがあります。

不眠や眠気があったら、その原因を突き止めること、原因に応じた対処を行うことから治療は始まります。

●認知症の睡眠問題

アルツハイマー病などの認知症の方は同年代と比べてもさらに睡眠が浅く、さまざまな睡眠問題がみられるようになります。

重度の認知症の方ではわずか1時間程度の睡眠でさえ連続して眠ることができなくなると言われています。

またしっかりと目が覚めきれず「せん妄」と言われるもうろう状態がしばしば出現します。

このような時には不安感から興奮しやすく時には攻撃的になるため、介護者の負担が増加します。

認知症の方の睡眠を保つためには・・・

①就寝環境を整える(室温・照度)

②午前中に日光を浴びる

③入床・覚醒時刻を規則正しく整える

④食事時刻を規則正しく整える

⑤昼寝を避ける、日中にベットを使用しない

⑥決まった時刻に運動をする(入床前の4時間以降は避ける)

⑦夕刻以降に過剰な水分を摂取しない

⑧アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を避ける

⑨痛みに十分対応する(痛みに気づかれてないことも多い)

⑩認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害剤)の午後以降の服薬を避ける

以上のことに気をつける必要があると言われています。

規則正しい生活と適度な運動が睡眠には重要ですね。