認知症
●認知症とは
さまざまな脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、
認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会活動に支障をきたした状態をいいます。
日本では高齢化とともに、認知症の人口も増加しています。
65歳以上の高齢者では、平成24年度の時点で7人に1人程度とされ、
年齢を重ねるほど発症する可能性が高まり、今後も認知症の人が増え続けると予想されています。
また、65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼んでおり、
誰でもなりうる病気と考えられています。
年を取れば誰でも、思い出せなかったり新しいことを覚えるのが困難になったりしますが、
認知症はこのような「加齢による物忘れ」とは違います。
朝ごはんのメニューの一部を忘れたり、物忘れの自覚がある、
徐々にしか進行しないものは「加齢による物忘れ」の可能性が高いです。
一方、食事をしたこと自体を忘れたり、進行が速く日常生活に支障をきたす場合は
「認知症」の可能性があります。
また、認知症とよく似た状態(うつ、せん妄)や、認知症の状態を引き起こす
体の病気(甲状腺機能低下症など)もあるため、早期に適切な診断を受けることが大切です。
●認知症の予防
認知症の予防とは、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、
認知症になっても進行を穏やかにするという意味で、様々な取り組みが進められています。
認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症や血管性認知症は、
生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)との関連があるとされています。
例えば、バランスの良い食事を心がけたり、定期的な運動習慣を身に着けたりと、
普段からの生活管理が認知症のリスクを下げると考えられています。
●認知症かなと思ったら
まずはかかりつけ医に相談しましょう。
他にも行政や公益法人にも相談窓口があります。
自分自身や家族・同僚、友人など、周りの人についても「もしかして認知症では」と思われる症状に
気づいたら一人で悩まず、まず専門家などに相談し、認知症の早期診断・治療につなげましょう。
●最後に
認知症になる可能性は誰にでもあります。
私たちと同様、認知症を患った方々の心情も様々です。
また、最初に症状に気づき誰よりも不安になって苦しむのは本人なのです。
認知症の方は理解力が落ちているものの、感情面はとても繊細です。
温かく見守り適切な援助を受ければご自身でできることも増えていきます。
認知症という病気を理解して、さりげなく自然で優しいサポートを心がけましょう。